チョウの生態
クイズ★チョウの産卵
チョウは、幼虫のエサとなる植物(食草)に卵を産みます。
チョウと言えば
♪花から花へ…♪というイメージが浮かびますが、
花蜜は成虫のエサ。
子孫を残すには、腹ペコアオムシが食べる葉っぱがキモです。
だから、♪菜の葉にとまれ…♪なんです。
さて、そこで問題です。
* 左下の 青字をクリックして、クイズに挑戦して下さい。
(正解は、次項「チョウの食草(幼虫のエサ)」を参照)
チョウの食草(幼虫のエサ)
チョウの幼虫は、木や草の葉を食べて育ちます。
つまり、公園や道端、庭などの木や草が、イモムシ・アオムシの食堂なんです。(写真:ミカン科=アゲハ類の食草)
葉っぱが虫に食われちゃった…と嘆くあなた、
チョウへのおすそ分け…と考えなおしてみませんか?
* 左下の 青字をクリックして、 食草図鑑をご覧ください。
チョウの蜜源(成虫のエサ)
平家の家紋にもなっているナミアゲハは、市街地で見かけるチョウの代表格です。彼らが季節を問わず姿を見せてくれるのは、春はツツジ、初夏はセンダン、夏~秋はヤブカラシ…という具合に、蜜源のリレーがつながっているおかげです。
(写真:カクレミノの花蜜を吸うアオスジアゲハ、8月)
蜜源のリレーが途切れるとチョウの出現も途切れます。
* 左下の青字をクリックして、 蜜源図鑑をご覧ください。
チョウの幼虫(アオムシ・イモムシ)
チョウの卵が成虫になるには、1₋2か月かかります。
(写真:ナミアゲハ終齢幼虫、5月)
そしてチョウの卵が成虫になる確率は、100個のうち1個か2個! 厳しい生存競争です。
鳥、トカゲ、クモ、カマキリ、アリ、ハチ、カメムシ、ダニ、…。天敵がたくさんいるのです。
* 左下の青字をクリックして、アオムシ・イモムシ図鑑をご覧ください。
チョウと蜜源のカレンダー(2023.3改定版)
春先に飛び始めるチョウ、ゴールデンウィーク頃から飛び始めるチョウ、秋になると目につくチョウ…、色んなチョウがいます。それを一覧できる図表にしてみました。 そして、本州中央部での一般的な傾向(帯グラフ)の上に、白鳥庭園・徳川園での確認記録(●◎◯)も重ねてみました(チョウ・カレンダー)。
こうしたチョウの出現時期と蜜源は、うまくかみ合っているのでしょうか?
そこで、日本庭園にふさわしい和の蜜源の開花時期と、吸蜜するチョウの種類を対比してみました(和の蜜源カレンダー)。
その結果、次のような課題が浮かび上がってきました。
・梅雨時~夏場の蜜源が、不足しがちなこと。
・タンポポ、カタバミ、スミレなどの山野草が、
「和の蜜源・食草」でありながら雑草扱いされて
除草されがちなこと。
(写真:カタバミの花蜜を吸うヤマトシジミ、4月)
* 左下の青字をクリックして、カレンダーをご覧ください。
白鳥庭園・徳川園のチョウ
チョウ図鑑
これまでの調査で、白鳥庭園32種、徳川園21種、合計34種のチョウを確認しました。
季節を問わず見かけるチョウ、春~初夏に多いチョウ、秋になると増えるチョウ、…。
それらをまとめてみました。
(写真:ツツジの花蜜を吸うナガサキアゲハ、5月)
* 左下の青字をクリックして、チョウ図鑑をご覧ください。
チョウマップ(白鳥庭園) 2023.3改定版
白鳥庭園でチョウに最も人気なのは、上ノ池西岸(水琴窟前)です。次いで梅園周辺(築山の東裾)も、チョウに人気のスポットです。
この両地区では、2021年度からミニ・バタフライガーデン化の実験(蝶の庭/蝶の里)が始まっており、その成果が早くも表れつつあります。
* 左下の青字をクリックして、 チョウ・マップをご覧ください。
チョウマップ(徳川園) 2023.3改定版
徳川園でチョウに最も人気なのは、龍仙湖西岸(茶庭)です。次いで、花菖蒲園、渓流の中溜り周辺も、種数が多く多様な可能性を秘めた場所です。
全体として、梅雨時~夏場の蜜源不足が課題となっています。
*左下の青字をクリックして、 チョウ・マップをご覧ください。
蜜源リレー
白鳥庭園・徳川園では、チョウと蜜源はうまくマッチングしているのでしょうか?
蜜源のリレーは、うまくつながっているのでしょうか?
(写真:ノアザミとナミアゲハ、5月)
そんな問題意識から、吸蜜写真をカレンダー風に整理してみました。
* 左下の青字をクリックして、 蜜源リレーの様子をご覧ください。
名古屋のチョウ 2023.3改定版
白鳥庭園・徳川園のチョウは、他の緑地と比較してどんな特徴があるのでしょう?
一口で言うと
・種数は、3ha前後の規模ながらも20ha級の公園(鶴舞公園など)に迫る水準。
・両園とも、森林性のチョウの種数の方が、草原性の種数よりも多い。
・個体数は、面積に相応の水準。
* 左下の青字をクリックして、 比較表をご覧ください。
和風バタフライガーデン(2023.3版)
◆2010年秋、白鳥庭園に隣接する名古屋国際会議場において、生物多様性条約COP10が開催されました。白鳥庭園では、これを機に無農薬管理など生物と共生する維持管理に取り組んでいます。
◆2016年以来、私たち(都市の自然のモノサシ研究会)は、チョウやトンボが豊かに飛び交う庭園づくりの調査・提案を続けてきました。
◆そんな両者の協働により、和風バタフライガーデンづくりへの挑戦が始まっています。
* 左下の青字をクリックして、 ご覧ください。
提 案
白鳥庭園への提案(2022.3版)
2010年の生物多様性条約COP10(於:名古屋国際会議場=白鳥庭園北側)を契機に、
白鳥庭園では無農薬管理への挑戦が始まり、今も続いています。
ex. 春~秋: 毛虫は割りばしでつまんで捕殺。
冬 : 蛾の越冬繭や卵は、竹べらで削り取る。
2017年以降は、私たち(都市の自然のモノサシ研究会)の提案を踏まえた取り組みも始まりました。
2021年度には、ミニ・バタフライガーデンづくり(上ノ池西岸の蝶の庭、梅林奥の蝶の里)の実験も始まりました。
蝶の庭(上ノ池西岸)では、ノアザミ(5-6月)やフジバカマ(9₋10月)に多くの種類のチョウが吸蜜に訪れるなど、途切れない蜜源リレーが実現しました。
蝶の里(梅林奥)では、ソバ(7月)のおかげで夏場にもモンシロチョウが見られ、さらにフジバカマによって秋まで出現期間が伸びました。
これらの成果を踏まえ、蝶の庭、蝶の里に加え、園路を蝶の回廊にすることを提案します。
* 左下の青字をクリック。
徳川園への提案(2022.3版)
「チョウと言えばお花畑。樹木と池が主体の日本庭園は、チョウとは縁遠い」と思われがちですが、
実は、日本庭園とチョウは意外に相性がいいのです。
徳川園でも17種のチョウが確認されており、うち12種は森林性のチョウです。(チョウマップ参照)
そう、樹林好きのチョウも多いんです。
そこで、徳川園にもチョウがたくさんいることを知ってほしい! チョウと出会える機会をもっと増やしたい! と願い、以下を提案します。
* 左下の青字をクリック。
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